介錯

大手町のMARUZENにふと立ち寄ったときに、松下幸之助の「道をひらく」が目に入ったので、パッと開いたページがに「止めを刺す(とどめをさす)」というエッセイだった。武士はトドメを刺すにも作法があり、それを怠らない。まさに自分が一番苦手としていることで、ゴールが見えてくると途端に手を抜いてしまったりする。時には終わらせてしまうことに恐怖心を持つことすらある、完成恐怖症だ。だからこのエッセイを読んだとき、終いまで心を通わせてやり遂げるということの大切さ、わかっているはずなのに、完結な言葉で、スッと刃物を差し込まれたように心が痛んだ。

 

ロンドンにいたときはもっと自分でも面白いと思える文章書いてたと思うんだけど、全然思い浮かばなくなってるな。日々の経験の所為か、仕事に追われ、家に帰ってはすぐ布団に入るを繰り返す。あと文化的なものに触れる機会も減ったかな。あと、書きたくて仕方なくて書いてた。湧き出てきてた。今はこれも、なんとか引きずり出して書いてる。これじゃないんだよな。